2017年7月21日金曜日

格安4Kテレビが映し出す東芝の存在感

日経ビジネスより ドンキが手掛けるのは50型の4K液晶テレビ。同社のプライベートブランド(PB)「情熱価格PLUS」で展開する。最大の売りはその安さ。50型の大画面ながら5万4800円(税抜き)と、家電大手が手掛ける4K液晶テレビと比べて4分の1の価格だ。  価格の安さもあり、6月15日の発売から予約が殺到。わずか1週間で初回生産分の3000台は完売した。7月14日には追加販売を発表しており、8月下旬に1400台を出荷する計画という。 ・・・ 当時の東芝が取っていた戦略は、ディスプレーではなく画像処理による高画質化の追求や、新聞に近いテレビ番組表の表示など使い勝手の改善、そしてゲームモードの導入など多岐にわたっていた。自社製のディスプレーを持たないがゆえに、他社とは違う土俵で戦おうとしていたわけだ。  「ニッチを重ねればマスになる」。当時、東芝のテレビ事業の企画担当者は自社の戦略をこう評していた。つまり、100人のうち1人しか買わない機能でもそれがどうしても欲しい人には東芝一択になるというもの。そのニッチな機能を積み重ねることで一定のシェアになる(マスになる)というわけだ。「異端」ともいえる当時の戦略で、一時期は国内シェア2位になったこともあった。  ただ粉飾決算発覚以降は、東芝はテレビ事業で新機軸を打ち出せていない。中国美的集団に売却された白物家電とは異なり、テレビ事業は今もグループ内で手掛けている。コアなファンの支持を集めてブランド力を磨いてきたのは確かだが、今や話題になるのは他社製のテレビだけというのでは、せっかくのブランド力を生かし切れていないと言えるだろう。 ---------------------------------------------------------- 東芝よ頑張れ